マラッカ海峡でセーリング

突然ですが、マラッカ海峡のポートディクソンという町でセーリングを体験して来ました。
ポートディクソンは、マレーシアの首都であるクアラルンプールから電車とバスを乗り継いで2時間半ほど(タクシーだと一時間半程度)の場所に位置する小さな港町です。昔は炭鉱で栄えていた町だということですが、今ではその面影はなく、リゾートホテルやアパートメントと呼ばれる長期滞在型のリゾートが立ち並ぶ、マレーシアでも有数のレジャースポットとなっています。
今回お世話になったのは、アジアンヨッティング社のマーティーさんというオーストラリア人の方です。彼は、東南アジア地域でヨット記者をされる傍らセーリングスクールを経営しておられます。私はそのスクールにいくつかあるコースのうち、「ディスカバーセーリング」(2時間)のコースに参加しました。
ポートディクソンのパスステーションに正午すぎに到着。あらかじめ聞いていた電話番号に電話をすると、あずき色のパジェロで迎えに来てくれました。ちょうど昼ごはんの時間だったので、そのままバスステーション横のインド料理屋で一緒に昼食をとることにしました(カレーはマーティーさんのおごりでした)。アジアンヨッティングのオフィスはポートディクソンの市街地から15分くらいだったと思います。到着するまでの間、きれいな砂浜や林立するリゾートなど、日本ではあまり見ることのない南国の景色に目を奪われました。
午後2時になるとちょうどよい海風が吹いてくるというので、ゆっくり準備を始めることに。今日のクルーは、マーティーさん、私、そしてもう一人マレーシア人のハスランさんの計3人です。3人で大丈夫ですか?と聞いたところ、「いっぱい働いてくれれば大丈夫!」とのこと。ここ数か月、御無沙汰だったセーリングができるということで、私はやる気満々でポンツーンに向かいました。


乗せて頂いた船は、Runnalls 8(設計 Malcolm Runnalls 建造 JG Boats)と呼ばれるモデルで、外洋での帆走も考慮して設計された26feetのレーシングボートです。
艤装を終え出港。南へ約5マイルのRachardo岬(レカドと発音)へ向かいます。出港時は6から8kt程度の軽風でしたが、軽い船体とスペクトラのニューセールのおかげで快調に帆走します。ポートディクソンの海岸は基本的に砂地であまり入り組んだ地形ではないため、風光明媚といった感じではありませんが、海岸に見えるヤシの木や水上を走るように泳ぐ魚など、異国の地で初めて見る光景にしばしば感動しました。
何度かタック、ジャイブを繰り返した後、舵を交替してもらいました。レーサーといっても癖はなくハンドリングのしやすい船だという印象を受けました。しかも30feetクラス並みに早いので、思わず舵を握る手には力が入ってしまいます。
そうこうしているうちにRachardo岬に到着。マーティーさんいわく、マラッカ海峡を通過する船はみなRachardo岬をウェイポイントに設定するらしいです。よく見ると沖の方に大型船の姿がチラホラ見えます。日本のタンカーもここを通ってペルシア湾などに行くのかと考えると身近に感じてきました。帰りは15kt位まで風が上がり、リーチングでパワフルなセーリングを楽しみました。


寄港後、オフィスに戻るとビールで乾杯です。セーリングの後はこれに限ると。。。どこでも一緒なんですね。陸で待っていた妻に「きみの旦那は、チョメチョメよりセーリングの方が上手なんじゃないか?」と下ネタまで披露する始末です。私もどう反応してよいか分からず、口に指をあてて「シー」といって黙らせると、2人ともにやけていました。
ところで、このスクールには色々な国の人が来るらしいですが、日本人は私が初めてとのこと。ついでに日本のことについて少し聞いてみました。私のホームポートである「蒲郡」はさすがに知らないようでしたが、以前ニッポンチャレンジのベースキャンプがあったところだと言うと、すぐに分かってもらえました。ピーターギルモアとも先日マレーシアで開催されたマッチレースで会ったといっていました。そして、まず最初に名前の挙がった日本人セーラーは斎藤実さんでした。マーティーさんは「以前オーストラリアから福岡までのレース(?)で彼と一緒に乗る機会があったが、体調不良で乗艇することができなかった」というエピソードをお持ちで、とても残念がっていました。
アジアンヨッティングという会社名からして、アジアをターゲットにされているのだと思いますが、その「アジア」とはどこまでを想定されているのですか?と聞いてみたところ、東南アジアから香港まで、日本はまた別との回答でした。なぜかと聞くと、日本のセーラーは殻に閉じこもって出てこない。我々はウェルカムなのだが、日本のセーラーは、自分たちは別物だと考えているのではないか??と言っていました。「そんなことはないですよ」と答えてはおきましたが、なかなか考えさせられる内容です。。お土産に日本のKAZIを置いてきました。3月号にはちょうどマレーシアの特集があり、すみっこの方に自分たちの会社の紹介を見つけたらしく、とても喜んでいました。
今日は本当に楽しい思い出となりました。

風速:3-7m 風向:東 天候:晴れ

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